本講演会は終了しました。ありがとうございました。

∼ 集まれ、科学者を夢見る若者たち! ∼

 名古屋大学 大学院理学研究科・素粒子宇宙物理学専攻は、素粒子物理学と宇宙物理学の両分野における世界の研究の発展へ寄与するとともに、ノーベル賞受賞者をはじめ、多くの人材育成にかかわって参りました。坂田・早川記念レクチャーは、坂田昌一・早川幸男両教授の業績をたたえ、21世紀を担う研究者の発掘および育成を目的として設けられました。

∼ 太陽系を満たすプラズマ ∼

 第16回目となる今回は、太陽系や地球磁気圏における宇宙プラズマに関する研究を長年にわたりリードしてこられた西田篤弘氏をお招きします。
 プラズマは電子や陽子といった電荷を帯びた粒子を含む電離ガスです。地球の高層大気はプラズマとなっており、太陽からも高速のプラズマの流れ(太陽風)が噴き出しています。私たちの身近な宇宙は太陽風で満たされており、地球周辺の宇宙環境も太陽風の影響を強く受けています。その影響は、遥か70億km離れた冥王星をも超えた広範囲に及び、さらにその向こうには太陽風の届かない星間空間が広がります。
 こうしたプラズマの動きは磁場と密接に関係していて、フレアと呼ばれる太陽表面での爆発や、極地の夜空を彩るオーロラを始めとする様々な現象を引き起こします。このプラズマや磁場が織りなす多彩な物理現象を研究するのが「宇宙空間科学」です。人工衛星の登場により宇宙プラズマの振る舞いを直接観測できるようになって以降、急速に発展を始めたこの分野を、西田氏は長年にわたってリードして来られました。
 講演では、太陽-地球磁気圏や太陽系を満たす宇宙プラズマについて、人工衛星プロジェクトの魅力にも触れながらお話しいただきます。また、現在第一線で活躍されている研究者によるミニ講演「科学衛星を作る」も予定しています。人工衛星を用いた宇宙プラズマ研究は、今や地球磁気圏にとどまらず、太陽圏・星間空間を超える広がりを見せています。


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