第9回 「坂田・早川記念レクチャー」 記念講演会

名古屋大学大学院理学研究科・名古屋市科学館共催
名古屋大学 グローバルCOEプログラム「宇宙基礎原理の探求」特別共催
名古屋大学 素粒子宇宙起源機構 特別共催

「CP対称性の破れの研究の進展」

講演者 小林 誠 氏
(日本学術振興会理事 / 名古屋大学特別教授 / 高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授)

平成23年 4月16日(土)15:00~17:00
名古屋市科学館サイエンスホール

■対象:高校生以上
■定員:300名(事前申込制。下を御覧ください。)
■受講料:無料(ただし、科学館の観覧料が必要です。(高校生、大学生200円/大人400円))

ポスターのダウンロード(カラー版) (白黒版)

~ 集まれ、 科学者を夢見る若者たち! ~




■坂田・早川記念レクチャーとは

名古屋大学大学院理学研究科・素粒子宇宙物理学専攻は、素粒子物理学と宇宙物理学の両分野における世界の研究の発展に寄与し、またノーベル賞受賞の研究者をはじめ社会の各方面で活躍する多くの人材を育てるなど教育の面においても重要な貢献を果たしてきました。この歴史をふりかえるとき、われわれは、お二人の物理学者、坂田昌一、早川幸男両教授の貢献の大きさを思い起こさずにはいられません。

坂田昌一教授が開拓されたクォーク模型やニュートリノ混合などの研究は、素粒子物理学の主流に発展し、早川教授が切り開いたエックス線や赤外線といったさまざまな波長領域での観測天文学は、現在の観測的宇宙論や星間物質に関する成果につながっています。坂田・早川記念レクチャーは、両教授の業績をたたえつつ、21世紀を担う研究者の発掘・育成を目的として設立されました。この趣旨に沿って、名古屋大学大学院理学研究科と名古屋市科学館の共催による記念講演会を開催しています。



■第9回講演会について

第9回となる講演会では、2008年ノーベル物理学賞を受賞された小林誠氏(日本学術振興会理事/名古屋大学特別教授/高エネルギー加速器研究機構栄誉教授)をお招きして、小林-益川理論の提唱から実験的検証に至る進展について、お話を伺います。粒子と反粒子は、電荷の符号が反対であることを除けば、互いに極めてよく似ていますが、その対称性はわずかに破れていることが知られており、CP対称性の破れと呼ばれています。小林氏は、CP対称性の破れを説明するためには、クォークが少なくとも6種類必要である、とする理論(小林- 益川理論)を提唱されただけでなく、その実験的な検証に重要な役割を果たしたBファクトリー実験についても、高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所長などのお立場から推進されました。理論実験両面に渡って興味深く語っていただきます。


~講演者プロフィール:小林 誠(こばやし まこと)氏 ~

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1944年愛知県名古屋市生まれ。名古屋大学理学部物理学科を卒業し、名古屋大学大学院にて、坂田昌一博士の主宰する素粒子論研究室(E研)で学ぶ。京都大学助手、高エネルギー研究所助教授、教授を経て、現職。1973年に提唱した小林-益川理論は、その実験的検証を経て、現在の素粒子物理学の標準模型の一角を担う理論になっている。「クォークが少なくとも3世代(6種類)存在することを予言する(CP)対称性の破れの起源の発見」により、2008年ノーベル物理学賞を受賞。



■申込締切

2011年4月2日(土)必着


■申込方法

以下のいずれかの方法でお申し込みください。定員を超える場合、抽選を行います。(申込で寄せられた個人情報は、本セミナーの運営に必要な範囲でのみ使用します)
  1. ここをクリックして、オンライン登録フォームへお進みください。
  2. 往復はがきに、住所、氏名、高校生・大学生・一般の区分、電話番号、返信部分 に申込者の宛名を記入し、以下の宛先まで郵送ください。
    〒460-0008 名古屋市中区栄二丁目17-1
    名古屋市科学館「坂田・早川記念レクチャー」係
  3. 高校等でまとまって参加される場合には、団体申込も可能です。下記問合先までご連絡ください。


■問合先

講演の内容等に関する問い合わせ

名古屋大学理学部E研 TEL (052) 789-2927 (担当)前川

申込方法、会場等に関する問い合わせ

名古屋市科学館 TEL (052) 201-4486 (担当)天文係 持田

e-mail

shlecture[@]eken.phys.nagoya-u.ac.jp ([@]を@に変換して下さい)




■これまでの坂田・早川記念レクチャー講演者

第1回
益川 敏英 氏(京都大学基礎物理学研究所所長)
「坂田理論が切り開いたもの」


第2回
田中 靖郎 氏(宇宙航空研究開発機構名誉教授、マックス・プランク宇宙物理学研究所客員教授)
「X線で宇宙を探る-X線天文学40年の歩み-」


第3回
戸塚 洋二 氏 (高エネルギー加速器研究機構長)
「地底から宇宙をさぐる」


第4回
杉本 大一郎 氏 (放送大学教授・東京大学名誉教授)
「宇宙から広がる科学」


第5回
西島 和彦 氏 (東京大学・京都大学名誉教授)
「ミクロの世界の不思議な法則 -素粒子とは-」


第6回
西村 純 氏(東京大学名誉教授、宇宙科学研究所名誉教授)
「日本の近代科学を作った人々」


第7回
丹生 潔 氏(名古屋大学名誉教授)
「幻のノーベル賞 チャーム粒子の発見」


第8回
佐藤 勝彦 氏(明星大学教授・東大数物連携宇宙研究機構教授)
「宇宙の創生とマルチバース」

注)役職は講演会当時のもの
名古屋大学大学院理学研究科・素粒子宇宙物理学専攻
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