講演概要:

 太陽系を構成しているのは惑星や小惑星などの天体だけではない。コロナから流出した電離気体(太陽風)が太陽系空間全体に広がり、惑星も電離した大気で包まれている。電離気体をプラズマと呼ぶ。プラズマは磁場と強く結びつき、太陽系空間(太陽圏、Heliosphere)にはプラズマ・磁場が織りなす多彩な現象が発生している。オーロラや放射線帯はその例であり、太陽フレアーの際に放出される巨大な磁気雲は地球周辺空間の電磁環境に影響を及ぼす。木星や土星も太陽圏の中にある。しかし太陽・地球間距離の約百倍を超える遠方まで進むと、太陽風とは異なるプラズマの領域が出現する。太陽圏を離れ、星間空間(Intersteller space)に入るのである。