物理学科における教育

めざすもの

物理学科では、学生は、物理学を体系的に学び、自然に対する科学的理解の仕方を学んできました。特に、物理学特有の原理からものごとを問い直し論理的に考える姿勢や実証的姿勢を身につけることを目標としてきました。このような教育を行ってきた結果、物理学の諸分野において多くの指導的な研究者を育て上げるとともに、高度化し複雑化する社会に有能な人材を送り出し、社会・学問・文化の発展に寄与しています。

入学試験と物理学科への分属

(1) 入学試験

学科の区別をせず理学部学生(定員270名)として入学者を決定します。
入学試験は
・前期日程入学試験
・推薦入学試験
の2方式があります。 入試情報はhttp://www.sci.nagoya-u.ac.jp/student/examnination.htmlをご覧ください。

(2) 物理学科への分属

1年次は、基礎を学びながら自分の進みたい学科(物理学科、数理学科、化学科、生命理学科、地球惑星学科)を選ぶ期間です。したがって、学科の区別なく講義、実験があり、各自の興味に応じて選択し履修できます(ただし、学科により卒業に必要になる履修科目があります)。2年次に希望通りの学科に進む(学科分属)ためには、1年次にしっかりした履修が必要です。物理学科の定員数は90名です。定員を超える志望者があるときは、成績を参考にして調整します。

物理学科のカリキュラムとコース・デザイン

カリキュラム構成は、講義、実験、演習の3つの柱からなります。それぞれつぎのようにコース・デザインしてあります。

(1) 講義

基礎から体系的に組み上げています。

-1・2年次-

現代物理学のすべての基礎である「力学」と「電磁気学」を学びます。ここでは、暗記物の物理ではなく、微分・積分などをマスターし、自然界のふるまいについて物理学的な考え方を通して把握することを学びます。物理学の「ことば」である「数学」の講義もあります。さらに、現代物理学の最先端の話題を紹介する「現代物理学序論」の講義も用意してあります。

-2・3年次-

2年次後半から現代物理学の核心に進みます。その柱は「量子力学」と「統計力学」であり、「力学」「電磁気学」「数学」で学んだ知識を総動員して、1年半をかけて基礎を身につけます。3年次からは、「素粒子物理学」「宇宙物理学」「物性物理学」「生物物理学」などの各論の講義も始まります。それまでに学んだ知識がさらに具体的な研究課題に、どのように用いられ、深められるかを学びます。

-4年次-

30の研究室のいずれかに配属され、卒業研究を行います。同時に、専門的な講義も実施します。

(2) 実験

現代科学は実証の学問です。どんなに美しい理論でも実験で実証されなければ物理学として意味がありません。実験の持つ面白さを試行錯誤を繰り返しながら学習します。実証性と定量性の重要さ、装置の操作やその原理、データの処理のしかたなどを理解します。1年次には基礎的な物理実験を、3年次には「量子力学」や「統計力学」で習ったことが実際にどのように起きるのかを自分の手で確かめる実験を行います。

(3) 演習

講義で学んだことを確実にマスターするため、具体的な問題を解きます。いかに考え、いかに計算すればよいかを実践することにより、一層深く理解します。解法を求める過程で、学生同士で議論をし、自分の考え方を論理的に、かつ的確に表現できる能力を身につけるのも大きな目標です。

クラス担当の指導教員

1年次学生は全12クラスに分けられ、各クラスには指導教員(クラス担当)が配属されます。学生の勉強や生活の悩みなどの相談にのります。

学習相談コーナー

2008年度より、物理学科の2, 3, 4年生の物理専門科目の修得のための学習の相談・援助を行うための学習相談コーナー(愛称:Cafe Quante)を設けました。