大学院生からのアドバイス(バックナンバー)

私は他大学から自己推薦で入学しました。学部時代には太陽フレアの研究を行い、現在は素粒子宇宙物理学専攻(博士前期課程)で太陽風研究室(SW研)に所属しています。元々は前大学で内部進学をするつもりでしたが、担当教員の方から「ここでなくとも太陽の研究は出来る。視野を外にも向けて進学を考えてみてはどうか?」とアドバイスを頂き、名古屋大学院への進学を考えました。名古屋大学への進学を決定付けたものは研究室訪問でした。研究室訪問では、研究室の特徴、研究方法、観測装置、今後の展望などを詳しく知ることが出来、自分がこの研究室で研究を行うというイメージを得ることが出来ました。これから受験をする皆さんも、受験する研究室を決める前にいくつかの研究室を訪問し、自分がその研究室で研究をしているイメージを得られるような研究室を選ぶことが大事だと考えます。パンフレット等では見ることの出来ない研究室の雰囲気や実態を自分の目で確認することが必要だと考えます。

素粒子宇宙物理学専攻(宇宙地球物理系)
博士前期課程 2年 (H26年度入学)

私は他大学から名古屋大学の一般選抜入試を受験し、物性理論研究室に所属しています。学部生のときに行った銅酸化物高温超伝導体の実験で物性物理学に興味を持ったことがこの研究室を選んだ理由です。大学院進学当初はなにもわからない状態からのスタートでしたが、研究を通してわかること、できることが少しずつ増えていきました。この分野に興味を持つきっかけとなった銅酸化物高温超伝導体の超伝導発現機構を理解したり、最新の論文の内容が少しずつわかるようになったりと、自分の成長を感じています。研究はいつもうまくいくとは限らず、間違えては悩むことの繰り返しですが、自分の研究で世界の誰も知らない問題の答えを見つけたときは、他の事では味わえない達成感があります。現在は、助けを借りながらも自分で研究が進められるようになりました。自分が成長できたのは所属する研究室に学ぼうとすれば、それに応えてくれる環境があるためだと感じています。質問をすれば答えてくださる教員の方々、先輩、後輩関係なく議論できる雰囲気など、とても恵まれた環境が整っていると思います。やりたいことが具体的に決まっている人も、そうでない人も「やる気」さえあれば充実した研究生活が送れると思います。

物質理学専攻(物理系)
博士前期課程 2年 (H26年度入学)

私は名古屋大学からの内部進学で自己推薦入試で入学し、現在は素粒子宇宙物理学専攻の宇宙論研究室(C研)の博士後期課程に所属しています。受験生の皆さんにお勧めすることは、自分のやりたいことを熟慮した上で実際に研究室見学に行ってみることです。研究室見学は実際に所属している大学院生たちから直接、経験に基づいた話を聞くことができ、さらに研究室自体の雰囲気を味わうよい機会です。研究に対する姿勢や各々の研究室独自の風習など、伝聞や文面では得られない情報や刺激が得られ、必ず皆さんにとってプラスになります。大学院では、教員や他の学生と議論しながら研究を押し進めていきます。分からないことにこそ、挑み、自らの手で解決策を見出す楽しさが大学院にはあります。自分の手で何かを解き明かして行きたいと思う人にはうってつけの場所です。また、大学院は研究を通して様々なことを吸収出来る場所です。自らが考え、悩みながら議論を交わし、物事を一つずつ学び取っていけるのが大学院生の醍醐味だと思います。この経験は、将来、研究する就職するに関わらず、必ず皆さんの力となり自信となり得ます。興味のある人は是非一度、受験を見据えて研究室見学に来てみることをお勧めします。

素粒子宇宙物理学専攻(素粒子宇宙物理系)
博士後期課程 1年 (H27年度入学)

私は京都大学から自己推薦入試を受けて名古屋大学に移りました。名古屋大学の太陽地球環境研究所は太陽系内の物理現象を多角的に研究する機関としては国内随一の規模を誇っており、国際的にも中心的な役割を担っています。特に、優れた若手研究者が多いため野心的な研究が活発に行われていて大変刺激的な環境です。私の所属する研究室は主に太陽物理と地球周辺の宇宙プラズマ現象を研究している人が約50人も在籍しています。教員も多く、広い分野の第一人者が揃っています。留学生がいるため英語で行うセミナーもあり、海外の研究者と議論するための良い練習となります。研究者を目指す私には非常に適した環境だと思います。 京都大学から名古屋大学に移ることに関しては大学の規模や評価を考慮して当然迷いました。しかし研究者になるために重要なのは所属大学の名前よりも自分自身の実力や業績だと思ったため、自分にとってより良い環境をもとめて名古屋大学への入学を決意しました。太陽地球環境研究所に進学したことは自分の研究者キャリアにとって必ずプラスになるものと確信しています。

素粒子宇宙物理学専攻(宇宙地球物理系)
博士前期課程 1年 (H26年度入学)
編集注:太陽地球環境研究所は、現在、宇宙地球環境研究所。

私は、自己推薦入試を受験して他大学から名古屋大学大学院理学研究科物質理学専攻の実験系の研究室に入学しました。私は物理系研究室紹介・大学院入試説明会終了後の研究室訪問には必ず参加することをオススメします。なぜなら、研究室のスタッフや学生らと直接触れ合うことができ、得られる情報等が非常に多いからです。私の場合、学部時代の研究内容と大学院でのやりたい研究内容が異なり大学院での研究生活に非常に不安な気持ちでいっぱいでしたが、研究室訪問の際に「一から指導していくから大丈夫」と声を掛けていただき不安が解消されました。入学してからその言葉通り、優しく指導していただき非常に実りのある研究生活が得られています。大学院では研究に対するモチベーションがあれば、それに応えてくれる充実した環境が揃っています。その環境に身を投じたい方々には是非とも入試の受験をすることをオススメします。

物質理学専攻(物理系)
博士前期課程2年(H25年度入学)

研究職を目指す方はもちろん、就職を考えている人にとっても有意義な環境であると感じており、特に多くの人に出会えるという点で、満足しております。 私はクォーク・ハドロン理論研究室(H研)に所属している修士2年生です。E、H、QG研は研究分野の関わりが強く、頻繁に連携しているため、多くの学生や教授と関わることになります。また、定期的に外部からスピーカーを招いてセミナーを行っているので、外部の先生とも接点が持てます。たくさんの人たちと出会い、彼らの研究についてはもちろん、考え方や信条などの違う、様々な人間に会うことで今までにない刺激を受けることができます。学生のレベルも高く、成長できる環境である一方で、努力をしなければ周りにおいて行かれてしまうため、土日も研究室に来るくらいの覚悟は必要です。過酷な環境でも十分に成長したいという方は是非、受験していただき、一緒に研究したいと思います。

素粒子宇宙物理学専攻(素粒子宇宙物理系)
博士前期課程 2年 (H25年度入学)

私は現在、素粒子宇宙物理学専攻E研究室に所属しており、特に素粒子論の現象論の研究を進めています。私は、学部時代には他大学の理学部ではない学部に所属しており、大学院入試に関しての情報を得るために、公式的な説明会以外にも個人的に訪問しに行きました。その時、研究室のスタッフや学生の方とお話し出来たことで、雰囲気だけでなく、具体的に学生がどのように過ごしているかを知ることができ、この研究室に入りたいと強く思いました。そして自己推薦入試を受け、合格することが出来ました。また、私の研究室では、EHQG研究室合同のセミナーや様々な行事があり、多くの先輩やスタッフの方と話す機会があります。また、月に行われるセミナーの数も充実しており、他大学で研究されている方とも交流することができるため、研究する環境は非常に整っていると感じています。研究を行うにあたって、ただ単に知識を積むことだけでなく、人と議論して進めていくことも非常に重要なことだと思いますが、その双方がこの研究室では養うことが出来ると思います。興味のある方は是非、一度訪問しに来て下さい。

素粒子宇宙物理学専攻(素粒子宇宙物理系)
博士前期課程 2年 (H23年度入学)

私は他大学から自己推薦入試を受けて今の研究室に入りました。大学院では宇宙の勉強をしたいと思っていましたが、具体的にどこでどの様なことが学べるのかを知らなかったので、とりあえず、自己推薦入試の説明会に参加してみました。今から思うと、もちろん何を研究したいかということも重要ですが、研究室の雰囲気が自分に合うかもとても大事な要素だと思います。ですから、特に他大学から受験する人は、事前に先生と会っておいた方がいいと思います。私は実際に先生の話を聞いてみて、志望する研究室が変わりました。また、いくつか研究室を回っておくと、面接試験のときに知らない顔の先生ばかりではなくなるので、緊張がほぐれるかもしれません。名古屋大学には宇宙分野だけでも様々な研究室があるので、いろいろな話をきく機会があり、非常にいい環境のなかで学ぶことができると思います。また、理論系の研究室では合同でセミナーをすることも多いので、他の研究室との交流もあって充実した毎日を送ることができます。興味のある人はぜひ受験してみてください。

素粒子宇宙物理学専攻(物理系)
博士前期課程 2年 (H22年度入学)

大学院入学を目指している方々の中には、すでに進学したい研究室が決まっている方、まだ取り組みたい分野しか決まっていない方等おられると思います。どちらの方も、この機会にもう一度、本当に自分が取り組みたいと思える事についてじっくり考えてみると良いと思います。私も3、4年生時には自分が何をしたいか、本当に大学院に進学する事が必要なのか悩みました。悩んだ結果、私はより自分を成長させたいと考え、興味のあった物性実験研究室に進学しました。また、みなさんが実際に自分の取り組みたい事が決まり、進学したい研究室が決まったならば、実際にその研究室の雰囲気を知るために研究室訪問をした方が良いと思います。研究室に入れば、四六時中研究室にこもり、研究室の方々と一緒に過ごす事になるので、自分に合うか合わないかを確認しておいた方が良いと思います。その結果、希望する研究室に進学したいと考えるのであれば、自己推薦入試を受験する事を勧めます。自己推薦入試は、合格すればその研究室に必ず進学しないといけませんが、早くから研究に取り組む事ができるからです。しかし、自己推薦入試は一般入試に比べて勉強量が少なくなりがちというデメリットもあります。そこで、大学院に進学してから困らないように自己推薦入試合格後も、研究の合間に基礎勉強を続けた方が良いと思います。ぜひ今一度、何を目的として大学院に進学するかを考えてみて下さい。

物質理学専攻(物理系)
博士前期課程 2年 (H22年度入学)

中心力ポテンシャルの下で電子は固有の軌道を形成します。電子の軌道角運動量lが0であれば、球状のs軌道、1であれば二つ葉のp軌道、2であれば四つ葉のd軌道です。これは、原子内の電子の最も単純な描像であり、学部の量子力学で学びます。本当に、電子はそんな分布をとっているのか。どうすれば、それを確認できるのか。そんな疑問がきっかけで、私は電子系を対象とする物質理学を専攻し、軌道物理を研究対象の一つとする固体磁気共鳴研究室(I研)に進学しました。研究を始めてしばらくは電子の軌道状態とは直接関係のないことを調べていましたが、最近ようやく”NMR(核磁気共鳴法)を用いて軌道状態を観測する”ことができるようになってきて、軌道という窓を通して物性現象を眺めることの面白さを味わっています。 私の過ごした2年間に渡る研究生活を振り返ってみると、それは悩ましい毎日であったと思います。研究というのは専らうまくいかないものですし、また、学生には研究を行なう力が不足しています。そのため、毎日何かに悩んでいた気がします。しかし、大学院というのはそういう人たちの集まる場所で、隣の席の学生や、スタッフも毎日何かしら悩んでいました。悩み、自分の力で考え抜くこと。それが、大学院生の仕事だと思います。悩ましい問題に取り組める方、大学院で研究してみませんか。

物質理学専攻(物理系)
博士前期課程 2年 (H21年度入学)

私は他大学から自己推薦入試を経て博士前期課程から入学し,現在は博士後期課程へと進学し,素粒子宇宙物理学専攻素粒子論研究室(E研)に所属しています。  さて,私の所属しているこのE研は,博士前期課程においては少し特殊な形態をとっており,所属する研究室がE研,H研(クォーク・ハドロン理論研究室), Q研(素粒子論的宇宙論研究室)と3つ合同になっています。従って3研究室が合同になっている分,同期の学生は他の研究室に比べて多いです。私の場合,同期は11人いました。これは物理を研究する上で大きなアドバンテージではないかと私は思っています。同期には興味の対象がE研のばかりでなく,もちろんH 研やQ研にも持っている人がいます。そんな彼らと同じ環境で勉強をしていると,自分とは違う視点での様々な考え方や意見を聞くことが多々あり,非常に興味深い経験を積んできたんではないかと思います。また,セミナーや論文紹介といった研究室の行事も3研究室合同で行うことが多いので,多彩で幅広い知見を養うことができます。  また名古屋大学では,2010年から「素粒子宇宙起源研究機構」と呼ばれる機構が発足し,素粒子や宇宙について研究したいと考える学生にとっては更に良い環境が作られつつあります。意欲のある方はぜひ受験にチャレンジしてください。

素粒子宇宙物理学専攻(素粒子宇宙物理系)
博士後期課程 1年 (H22年度入学)

私は他大学から第2次試験を受けて3つの研究室が合同で院生を募集しているEHQ研に入りました。少し語弊があるかもしれませんが、修士の間はどこの研究室にも所属しません。そして1年の間は専門的なことを研究することよりもゼミなどを開いて基礎となる理論を学びます。ここの良いところは研究室の垣根をこえて3つの研究室の修士、博士が混ざってゼミを開いて議論ができることです。議論をすることは物理を学ぶ上で重要です。その議論を研究室、先輩や後輩の関係を気にせずにできる環境は貴重でEHQの3つの研究室が互いに手を取り合っていることは良いことだと思います。修士2年になると研究テーマも決まり特定の研究を始めますが、ゼミのスタンスは変わりません。もしも素粒子、ハドロン、宇宙に興味があるのであれば是非、研究室を訪問してみてください。

素粒子宇宙物理学専攻(素粒子宇宙物理系
博士前期課程 2年 (H21年度入学)

私は、素粒子宇宙物理学専攻、宇宙地球物理系のCR研に所属しています。CRは宇宙線(Cosmic Ray)の頭文字ですが、宇宙線以外にも宇宙物理に関する様々な研究をしています。私の研究テーマである系外惑星の探索もその中のひとつです。具体的には系外惑星の探索は、マイクロレンズ現象という星の一時的な増光現象を利用して行います。その増光現象を捉えるため、ニュージーランドに所有している望遠鏡を用いて毎夜観測を行っています。そのため、年に計2、3ヶ月はニュージーランドに行って観測をするという貴重な経験ができます。もちろん、研究をするだけでなく、良い景色を楽しんだり、現地の料理を食べたりなど楽しいこともたくさんあります。大学院生は学部生に比べて、こういった海外出張や海外での学会などに参加する機会は多いし、世界最先端の研究をする以上、英語は不可欠です。一般選抜試験には、英語の試験もあるので、この機会にぜひ勉強をしておくと良いと思います。

素粒子宇宙物理学専攻(宇宙地球物理系)
博士前期課程 2年 (H20年度入学)

私は、他大学から名古屋大学素粒子宇宙物理学専攻宇宙地球物理系のCR研に、自己推薦入試で入りました。他大学の大学院に進むときは、どうしても情報を集めるのが難しくなります。私の場合、まず、研究室のホームページなどで自分のやりたいことができる研究室を探し、行きたい研究室の候補を挙げておきました。このとき、研究室がどこにあるかも見ておくべきだと思います。(例えば、CR研は宇宙線ドームの隣にあり、理学部棟から離れたところにあります。)そして、自己推薦前の大学院説明会を使ってさらに絞りました。また、行きたい研究室には、個別に話を聞きに行くのも重要だと思います。他大学からならなおさらです、研究室の雰囲気もわかりますし。入試では、太陽地球環境研究所の先生方が15人程いる部屋で、4問ある問題の中から1問選び、黒板で回答しました。私のときは力学、電磁気学、実験学、物理化学の問題でした。そのあと、なぜこの研究室を選んだかなどの質問が続きました。力学と電磁気学などは、学部の復習をしっかりしておけば大丈夫です。私がより大事だと思うことは自分のやりたいことを明確に持って、それをこの場で伝えることだと思います。やりたいことが決まっている方は、自己推薦入試を是非受けてみてください。

素粒子宇宙物理学専攻(宇宙地球物理系)
博士前期課程 1年 (H21年度入学)